振袖・二十歳の式典豆知識 成人式編
2023/04/08
目次
成人式(二十歳の式典)では、女性は振袖を身にまとい、男性はスーツや袴などをまとい、地域毎の開催されている会場へ集まりお祝いをする式典になります。又小学、中学生の頃の友人知人なども集まるため同窓会とも言える素敵な日となります。では、成人式(二十歳の式典)の内容をもう少し詳しくみてみましょう。
成人式(二十歳の式典)とは。
成人式(せいじんしき)とは、日本の法律上の成人とされる20歳に到達した若者たちが、大人としての新たな一歩を踏み出すことを祝う祭典です。
成人式は、1月の第2月曜日に全国的に行われることが多く、式典では振袖や袴などの伝統的な衣装を着用した若者たちが、市役所や公民館、神社などで集まり、成人を迎えたことを認められます。
成人式は、日本独自の文化であり、日本の成人式は、世界でも類を見ない独特のものとされています。成人式には、若者たちの大切な節目として、家族や友人たちが祝福し、励まし合うという意味があります。
成人式の由来
奈良時代以降の日本では、大人への通過儀礼として男子には「元服(げんぷく)」、女子には「裳着(もぎ)」と呼ばれる儀式が貴族社会を中心にして行われていました。
どちらも数え歳で12~16歳の子どもを対象に、髪型や服装を大人のものに変えて成人の仲間入りをし、これまでの成長を祝うのが慣わしでした。
江戸時代以降は女子の通過儀礼も「元服」となり、明治時代に成年年齢を「20歳」とする法律が決まる頃まで受け継がれてきました。
昭和21年(1946年)、埼玉県蕨市で「青年祭」の幕開けに催されたのが「成年式」です。
当時、日本中に敗戦の混乱が続いていましたが、虚脱感にさいなまれていた次世代の若者を勇気づける目的で青年団によって企画されました。
会場には国民服やもんぺ姿の若者が集い、式典では町長らから激励されたり、成年の代表者が誓いを立てたりしたのですが、昭和23年(1948年)に「成人の日」が制定されたことから全国各地で「成年式」を手本にした祝典が行われるように。
なお、蕨市では「成人式発祥の地のまち」として現在でも「成年式」の名称のまま成人式を行っています。
男子の元服
氏神様の社前にて、古代から平安時代における未成年男子の髪型のひとつである「総角(あげまき)」から髪を結って、公家は冠、武家は烏帽子(えぼし)をいただき、衣類は、「闕腋(けってき)」という両わきの下を縫い合わせないで開けたままの服から、「縫腋(ほうえき)」という両脇が縫い合わせてある服に改めます。烏帽子とは、和装で礼服を着る際に成人男性がかぶっていた帽子のことです。烏帽子は鎌倉時代ごろまで、成人男性の象徴として誰もが日常で着用していました。元服の儀式では様々な役割があります。
加冠の役
烏帽子をかぶせる者、いわゆる「烏帽子親(えぼしおや)」です。元服の役割の中でも最も重要な役割とされています。儀式後に幼少期の名前を改め、烏帽子親から1文字をいただいて「烏帽子名(えぼしな)」を名乗り、烏帽子親と仮の親子関係を結ぶことで「大人になる」「男になる」とされてきました。
理髪(りはつ)の役
髪を結う役目です。元服は「髪上げの儀」とも呼ばれています。
当時子どもは髪を左右で結っており、そこから髪をひとつに結っていわゆる丁髷(ちょんまげ)にし、
冠または烏帽子をかぶることを成人の象徴としていました。
理髪の役はこの際に切った髪を紙に包んでいました。
烏帽子の役
烏帽子親がかぶせる烏帽子を持つ役目です。
ほとんどは理髪の役が行っていたとされています。
泔杯(ゆるすつき)の役
泔杯(ゆるすつき)とは髪を整えるために使用する米のとぎ水を入れる容器のことで、その容器を扱う役目です。
打乱箱(うちみだりのはこ)の役
打乱箱(うちみだりのはこ)とは、手ぬぐいや髪上げの具を入れる箱です。
髪を梳く際に乱れ髪を入れたことからこの名称になったといわれています。
打乱箱の役はこの箱の中に理髪で落とした髪を収めていました。
鏡台并鏡(きょうだいならびかがみ)の役
使用する鏡台を扱う役目です。
女子の元服
女子の元服は江戸時代から行われていたとされています。
それまでは「裳着(もぎ)」という儀式を、女性の成人の儀式として行われていました。
主に男子同様髪上げの儀が行われ、十二単の着物の一つ「裳(も)」を纏い、
あらかじめ依頼した腰結(こしゆい)に腰紐を結んでもらうことで、大人の女性として認められました。
基本的には結婚を前提とした通過儀礼で、腰結は一族の長が務めることが多かったようです。
この時、きれいな着物を纏って儀式を行っていたことが、現代煌びやかな振袖を着ることのルーツとなっています。
江戸時代から女子も成人を祝う儀式を元服と称するようになり、庶民にも広まりました。
髪を丸髷(まるまげ)に結い、鉄漿親(かねおや)にお歯黒をつけてもらい、引眉(ひきまゆ)を行うのが女子の元服の主流でした。
お歯黒を付けるが引眉しない場合は半元服と呼ばれ、これは現在でも祇園の舞妓など一部の花街に文化が残っています。
振袖の起源
振袖は、江戸時代に始まったとされています。当時、武家の女性たちは、結婚式や祭りなどの特別な行事には、色鮮やかな着物を着用する習慣がありました。この中でも、一番華やかなのが振袖でした。
振袖は、袖先が広がって振るわれる袖の形状からその名がついたとされています。また、当時は幼い女性が着用していた着物で、成人式を迎えた女性が初めて振袖を着用することで、大人として認められる儀式的な意味合いがあったとされています。
現代においても、振袖は成人式や結婚式、祭りなどの特別な行事に着用され、華やかで格式の高い着物として広く愛されています。
成人式に振袖を着る意味
成人式に振袖を着ることには、いくつかの意味があります。
まず、振袖は、日本の伝統的な衣装の中でも、格式が高く華やかな着物とされています。成人式は、若者たちが大人として新たな一歩を踏み出す節目であり、その重要なイベントにふさわしい、格式ある衣装として振袖が選ばれるのです。
また、振袖は、若い女性が成人を迎えたことを示す、象徴的な衣装でもあります。振袖を着用することで、自分自身や周りの人たちに、成長し大人として認められたことを感じることができます。
さらに、成人式は、若者たちが社会に出る前に、一度だけ祝福される貴重な機会でもあります。振袖を着用することで、自分自身や家族、友人たちとともに、大切な節目を祝福するとともに、感謝の気持ちを表現することができます。
まとめ
成人式は、日本の伝統行事の一つであり、若者たちが20歳になったことを祝い、大人としての新たな一歩を踏み出す節目として行われます。式典では、自治体や学校などで式が行われ、式に参加する女性のほとんどが振袖を着用します。
振袖は、日本の伝統的な衣装の中でも特に格式が高く、袖が振るわれることからその名がついたとされています。若い女性が成人を迎えたことを示す、象徴的な衣装として、成人式にはふさわしい衣装とされています。
成人式までの出来事には、自分自身の成長を感じたり、家族との絆を深めたりする機会がたくさんあります。例えば、成人式に向けて着物選びやヘアメイク、写真撮影などをすることで、自分自身が成長し大人になったことを実感することができます。また、家族や友人たちと一緒に準備をしたり、当日一緒に過ごすことで、家族の絆が深まることもあります。
2021年は新型コロナウイルスの影響で、多くの地域で成人式が中止や延期となるなど、例年とは異なる形での開催となっています。しかし、成人式は、日本の伝統文化であり、若者たちにとって大切な節目の一つです。改めて、成人式や振袖の意味を考えることで、その大切さを再確認することができます。
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